しまちゃんなりの小説の読み方

読了した小説を、ある観点から紹介していきます!そういう見方があったか!と思ってくれれば幸いです

あなたはまっすぐ「綺麗なもの」を見れるか?

又吉直樹さんの『火花』、読了しました

 

この作品は芥川賞受賞作品で、私の視点からでは、完全に読み切れないと感じさせられました。純文学であるため、又吉直樹さん独特の文章のリズムについて行くことに苦労したからです。また、又吉直樹さんの人柄が文字に現れて、複雑になってます。

 

しかし、私がこの本を読み、心をギュッと握ってきたテーマは「純粋」でした。この視点から『火花』を紹介していきたいと思います

 

主人公である徳永は芸能人として東京で活躍しようとする。しかし、やはり漫才で売れることは難しく、安定しているとは言えない。そんな中、後の師匠となる神谷と出会う。神谷は、徳永から見て“純粋”だった。ただ感じたように生きる神谷に、徳永は魅力されていく。

 

自分が感じたように、つまり純粋に感じたように、行動に移すことができる人は少ないのではないでしょうか?例えば、夢に向かって地道に精進していける人。こういう人達は、目標を達成したいという強い気持ちから、行動に移していると思ってます。しかし、「三日坊主」という言葉があるように、人はどうしても怠けたくなってしまいます。特に今の時代、ネットが普及し、時間を潰すことなど、容易くなりました。そんな中で、夢に向かって走れる人は眩しく見えます。たとえ、その人がビッグタイトルを得れなくて苦しんでいるとしても、何故か畏敬の念を抱かずにはいられません。

 

私は、神谷さんはそのようなレベルで、行動を移していくのです。ただ八百屋であることが、漫才なんやという考え方をもったり、シリコンを体に埋め込むことなどします。芸能人でもここまでぶっ飛んだことができる人はいないでしょう。このような純粋さで行動する神谷さんは、眩しすぎます。

 

この作品は、又吉直樹さんの「漫才」が表れていて、読み応えのある作品だと感じました。純粋さによる眩しさによって、読者の心の純粋さを明らかにしていくこの作品は、芥川賞受賞に相当するものであると思いました。

 

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